育休motto日記

2歳男児の育児日記。ときどき、社会に対する私見。

ラプラスのカサタシュークリーム

誰にでも思い出の味はあるだろう。給食の揚げパン、お母さんの作ってくれたからあげ。

概して思い出は美化されやすい。

私の中で仕事を始め、辛い時期を乗り越えてきたあのときの味は、鶴見にあるシュークリームなのだった。ラプラスという、地元じゃちょっと有名なケーキ屋さんで、月替わりで違う味を楽しめるシュークリームがあった。皮はパリパリ、注文を受けてから中にクリームを入れてくれる。

最初にこのシュークリームはお使いで買ってきたのだった。その美味しさにびっくり。毎月、必ず1個はプレーンタイプと月別メニューを買って帰るほどはまった。

 

そして、その中でもダントツ、美味しくて思い出にのこっているのがカサタシュークリームだ。カサタ?という聞き覚えのない名前はイタリアのクリームのようで、中にドライフルーツやナッツやチョコレートが刻んでいるものが入っているのだ。やばい、書いているだけで食べたくなってしまった。

とにかく、何月だったか、カサタシュークリームが出たとき、思わず2度、3度とお店に通ったのだ。多分カロリーは爆。でも、このシュークリームを食べるために私は剣道をやっているのだと思えるくらいの美味。

 

だがこのお店、なかなかいじわるである。インターネットを検索してもカサタシュークリームがいつ登場するか書いてない。普通お店で今月は◯◯ですよと書いても良かろうものを、ホームページは更新されず、現地に足を運んで初めて「あぁ、今日はフランボワーズなのね」と分かるわけである。

職場から駅までの帰り道よりちょっと遠回りのその店は、ときどき何シューかのぞくために訪れるのだった。しかし職場が変わり、この店に足を運ぶこともなくなった。そして忙しい毎日に、さらにもっとお気にいりのお店ができたりしてその存在を忘れかけていた頃、閉店の知らせを聞いた。かつての同僚が何気なく教えてくれた5月上旬の閉店。

 

正直、イオン閉店なんて屁でもないくらいショック。あの味を2度と食べられることはないのだ。そんなことならもっと買いに行けばよかった。そう後悔してももう遅い。

その知らせを聞いて、インターネットで情報を検索してもそれ以上のことは出てこない。とにかく5月上旬に閉まってしまうし、3月と4月のシュークリームはお客様の要望の多いものだということだ。それにカサタはランクインしているのか?

ならばお店に電話して、と思った時には閉店時間を迎えており、最悪なことに明日は定休日。間の悪いことは重なる。

 

コロナの影響で家にこもらなければならない日々が続いている。お気に入りのお店も、どうか持ちこたえて欲しい。その一方で『誰か』が行かなければ簡単に商売は成り立たなくなることを痛感した。

私の小さい頃の夢はケーキ屋さんだった。なれなかった今、誕生日じゃなくてもケーキを買おう。