育休motto日記

2歳男児の育児日記。ときどき、社会に対する私見。

保育無償化は誰にとってのしあわせか

ぴっぴ(息子)が寝ているので、筆がのっているうちにもう一つ。

3歳の無償化について。そりゃタダなら嬉しいよ誰だって。でもそのしわ寄せはどこにいく?

 

 

我が家は保育園問題であわあわしているけれど、世の中から見れば「じゃあ最後はあなたが仕事辞めるしかないね」くらいのノリなのだろう。

 

私は常々、「女が仕事をやめる」のが当たり前の世の中に怒っている。てか、なんで同じ仕事しているのに女の方が給料が安かったり、役職が低かったりするのだろう。どう考えても有能な女の人が明らかに阿呆な男の人に先を越されていたりするのを見るとため息が出てしまう。

 

それでいうと、保育士の待遇もどうなの?と思う。そもそも保育士が足りないのは「保育」という職業の魅力が低く、求人が集まらないからだろう。

 

友人に保育士もいるが、具体的な給料は聞いたことがない。だけど、人の子の命を守って、朝早くから夜遅くまで勤務しているわりには低いのが求人などを見ているとよくわかる。

保育される未就学児は言葉も通じない、言っても聞かない。それを専門性の高いスキルで人間に育てていくのだ。そうして小学校に上がって、中学、高校、大学と学んでいく。はっきり言って上に上がれば上がるほど楽だろう。

なぜそんな尊い仕事の給料が安いかと言えば、それは「女がやる仕事」だからだろう。

別に保育園で見なくても、家で女がタダでやれるものに金は出さないという姿勢が垣間見れて非常に腹立たしい。

 

私は保育士さんは少なくとも今の2倍は給料をもらっていいと思う。それは介護も一緒。介護職もかつては「嫁」の仕事で無償で行われていたから、給与水準が低い。

でも、命を預かる仕事。さらにしもの世話など汚い仕事もするのだ。これだって、自分ができない分高いお金を払って見てもらうのは当然だと思う。

 

だけど、老人ホームに支払うバカ高い金はきちんと介護士に支払われるかと言えばノーである。利益は経営者のもとに、現場で仕事をする人はたいてい腰を痛めて5年以内に辞めていく。

私は福祉学科卒だが、今も福祉職として働いている友人は数人しかいない。これに代わって外国人労働者がこの仕事を代わりにやることになる。意思の疎通ができない老人と外国人。何が起こるか考えればたやすいが。

 

3歳児の保育料が無償化されるという。以前から低所得者への負担軽減はされていたので、今回得をするのは主に金持ちだ。お金がなくて幼稚園に入れられない人にお金が回るのではなく、払うべく人が払わなくてよくなるだけだ。

だって、日本では親の教育への関心の高さから、小学校入学までなーんにもしない人は希なのだから。

 

今やるべきは3歳からの無償化ではなく、保育士の待遇改善だろう。せめて給料UPし、普通に休みを取れる現場に。子供相手の仕事は最後は「子供の喜ぶ顔が見たいから」という善意でサービス残業をしてしまう人が多い。そんな優しさに漬け込んで心が疲弊するまで働かせることがない世の中でありたい。

保育士の先生方がいきいきと、子どもに笑顔で接してくれることが親にとっては何よりありがたい。そういう先生であふれていてほしい!!

 

最近職場でのいじめが話題になっているけど、一人一人が抱える仕事が多くなるとそのはけ口は弱者に向かいやすい。同僚なら後輩へ、保育園なら子どもへ、老人ホームなら年寄りへ。根本的な制度が問題なのに、目の前の弱者をいじめる方が簡単だ。それはどんな現場だってそう。だったら社会がその制度を変えていくほかない。

 

女性がしあわせに暮らす世の中は多分男性にだって住みやすい。

女性ばっかりずるいと言わせない、どちらでもしあわせな世の中だと、わが息子もきっとしあわせだろう。